改善例

症例 50代女性 重度の外反母趾で、膝の痛みがあるケース

【患者様情報】

50代 女性

【仕事・趣味】

仕事は教員で、校内を歩き回ったり階段の上り下りも多い。立ちっぱなしのことも多いが、PC作業も多いため座位も多い。通勤に2時間近くかかる為、駅構内の階段の上り下りや乗り継ぎで急いで歩くことも多々ある。中学生と高校生の子供もいて、家事と仕事で基本的にいつもバタバタ忙しくしている。

【症状】

小さい頃にバレエダンスをしていた為か、左膝を悪くしてしまい、17歳の時に左膝に人工自体を入れる手術をしている。そのせいか、左膝は常に痛く、調子がいい時もあるけど調子が悪くなるとロキソニンを服用する。頻度としては週1回以上はロキソニンを服用している。外反母趾はやはり左の方が状態が悪く、重度の外反母趾になっている。基本的に痛みはないが、年に数回は痛く感じることがある。指が重なってきているのが気になる。

【BEFORE】

【AFTER】

【角度の改善】

外反母趾 (右)35.1° → 26.8° (左)43.7° → 37.1°

内反小趾 (右)17.1° → 14.8° (左)1.5° → 4.7°

横幅(親指と小指の付け根を結んだライン)(右)㎝→㎝ (左)㎝→

 

【症状の変化】

左膝の痛みは、コース3回目くらいから軽減、4回目には「そういえばロキソニンは最近飲んでいない」とのご報告を頂きました。特に、雨の日は必ずロキソニンを服用していたみたいですが、雨でも飲まなくて大丈夫になってきたようです。歩き方や姿勢を変えてみて、今まで自分がかなり前重心だったことや、姿勢や歩き方で正しいと思ってきたことが違って衝撃です、とのことでした。最終的な測定でも、外反母趾の角度がしっかり減っていて、左の中指が上がってきているのが少し重なりが少なくなりました。ご本人様の感覚としては、仕事でどうしてもパンプスを履くので、そうすると家に帰ると指が重なっている感覚がまだある、とのことでしたが、当初の写真を見比べてみると足の形や重なりが変化していて、驚かれていました。

 

【考察】

17歳の時に左膝の手術をしてから、左膝のO脚(膝下O脚)が気になっていて、これ以上外に向かないように内側に体重を乗せて歩くようにしていたようです。その為、重心が前内側にきてしまい、重度の、しかも指が重なるくらいまで外反母趾が悪化してしまったと考えられます。コースの中で姿勢や歩行の時に前側や内側を踏まないようにしてもらうと、最初は重心を外に向けるのに抵抗があったみたいですが、鏡で歩く姿を確認すると自分が思っているほどO脚が気にならず、むしろ以前より歩き方が良くなった(見た目)と驚かれていました。毎日時間に余裕がなく多忙の中、歩き方や姿勢を意識することは中々大変だったようでしたが、いつの間にか膝の痛みも軽減していて、「ゆるかかと歩き」の効果を実感されていました。