改善例

中等度の外反母趾・内反小趾 ~テニス後や歩行中の痛みがあるケース~

患者様情報

50代 女性

仕事・趣味

趣味でテニスをしていて、週3~5回やっている。スクールに通ったり仲間たちとコートを借りてテニスをしている。仕事は月に数回、水道メーターの検針で一日中歩く仕事をしている。また、体育館解放の受付で週に数回立ち仕事をしている。

症状

外反母趾、内反小趾ともにあるが、いつから出始めたのかは覚えていない。今までは痛みはそこまで感じていなかったけど、来院される2週間前くらいから右の内反小趾が靴に当たって痛むようになってきた。5分歩くだけで痛みが出現。テニスをしていても痛い。痛みは次の日まで続く。体力づくりの為、1カ月前くらいからジョギングを始めた。右のふくらはぎが頻繁につってしまう。外反母趾と内反小趾の部分が出っ張っていて、中々自分に合う靴がない。検診の仕事で一日中歩く時は、患部が当たらないようなサンダルを履いて仕事をしている。歩き回るので痛みが出て辛い。

 

Before(写真上)

外反母趾】右:29.3°  左:25.8°

【内反小趾】右:25.8° 左:19.0°            

【横幅】  右:10.33㎝ 左:10.21㎝

 

 

 

After(写真下)

【外反母趾】右:23.3°(-6.0°) 左:29.5°(-6.0°)

【内反小趾】右:28.6(5.1°) 左:18.1°(-1.1°)

【横幅】右:10.30㎝(-0.03) 左:10.01㎝(-0.20)

 

約半年間で両足の外反母趾、内反小趾ともに角度が軽減。見た目も少しスリムになった印象で、最初に比べて足の甲の骨も浮き出ていてむくみも減っていることがわかります。

症状の変化

右の内反小趾の痛みは、2回目を終了した時点で軽減。テニス後はやはり痛みが強いようで、冷やして対応していました。3回目来られた時は、外出して1日中歩き回ったら右の内反小趾にタコが出来てしまい、そこに膿がたまりしばらくは痛みが強い状態でしたが、2週間ほどで消失。コース開始から2カ月で足の痛みは完全に消失。歩いた後はもちろん、テニス後の痛みもなくなったとのことでした。歩くのも、以前に比べると楽に歩けるようになったとのことでした。

考察

この方はテニスを週3~5回やっていて、更に仕事でも足を使う仕事の為、足は酷使されている状態でした。今までは問題なくテニスも仕事もできていたけど、痛みが段々強くなってきて来院。この方の場合、外反母趾、内反小趾ともに中等度以上ありますので、恐らくけっこう前から足の形が変形していたと思われますが、痛みがないということで放っておいてしまいここまで悪化してしまったケースです。

コースを開始してからもテニスの回数などは減らさず続けてもらい、その中で歩行を修正して外反母趾や内反小趾を改善していきました。ただ、どうしても靴が患部に当たるということで中々サンダルをやめられず、角度の減りが少し甘くなってしまいました。歩行が上達して上手く歩けていても、足元の環境の靴が良くない靴だと、中々外反母趾や内反小趾の改善は難しいものがあります。しかし、それでも普段の生活の中での歩行やテニス、仕事は問題なく行えるようになりました。

今回のケースのように、テニスをやっていて外反母趾や内反小趾になっている方はとても多くいらっしゃいます。当院でも、一時期は来られている患者さんの2~3割くらいテニスを趣味でやっている、という程多い割合でいらっしゃいました。そして、テニスをしている患者さんからは「テニスの友達で外反母趾の人はとても多い」というお声もありました。テニスは前に重心をかけて構えていることが多い為、どうしても足指を酷使した状態になります。テニス中だけならまだしも、その癖が歩行や立ち方に影響を与え、普段の生活の中でも足指を使う癖が身についてしまうと外反母趾はどんどん悪化してしまいます。そしてその癖は中々自分では気づかないものです。痛みが出ていなくても、”もしかしたら足の形が外反母趾(または内反小趾)かも、と思ったらしっかり治療することが大事です。

そして外反母趾や内反小趾が改善して好きなテニスをやめることなく続けられるのはとても素敵なことですね。

併せてご覧ください

https://youtu.be/r_2bHcF0Lsc