症例別コラム

外反母趾の人が避けるべき靴ランキング

外反母趾は足の使い方、「歩き方」に問題があり起こってしまう疾患です。

そして、外反母趾を更に加速させてしまう原因として、立ったり歩く時の履物の環境、つまり履いている靴が大いに関係してきます。

足にとって良くない靴を履くことで癖のある悪い歩き方になってしまい、結果的に外反母趾になり、それだけではなく足に様々な症状が出てきてしまいます。

そこで今回は、外反母趾の人が避けるべき靴をご紹介していきたいと思います。

 

まずはこちらの動画をご覧ください。

https://youtu.be/Mbz8NsnQDYg

 

いかがでしたでしょうか?

もう一度おさらいで避けるべき靴をご紹介致します。

 

【避けるべき靴】

第1位・・・調整できない靴

(紐で調整できないスリッポンなど)

第2位・・・やわらかい靴

(ムートンブーツなど)

第3位・・・安定しない靴

(厚底靴、底が半円になっている靴など)

 

もしかしたら、「今まで良かれと思っていた靴は駄目だったんだ・・・」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実は当院に来られる患者さんで本来選ばない方がいい靴を履いておられる方はとても多くいらっしゃいます。そこで、実際に当院にいらっしゃった本来避けるべき靴を履いてしまって外反母趾が悪化したケースをご紹介したいと思います。

 

ケース1:安定しない靴

外反母趾が痛くて角度も中等度以上の患者さんで、自分で色々調べて様々なセルフケアを実践されている中で、“かかとから着地して親指で蹴る”という健康的な歩き方をネットや本で読み、それを実践するために「底が半円になっている靴」を購入。確かに歩いている時に自動的にかかとから着地して最後は指で蹴れるようにはなるけど、立ってるだけでものすごく疲れるし、歩きにくいし外反母趾はどんどん痛くなるし・・・ということで1週間も履けなかったとのことでした。

このように、「安定しない=筋肉がついて鍛えられる」というのは、常に筋肉を使ってしまっている状態となり、普段の生活には不向きとなります。そればかりではなく、外反母趾は足の指を使いすぎて起きてしまう疾患なのに、靴によって更に足裏の筋肉を酷使する状態にしてしまうことにより外反母趾はどんどん悪化してしまいますので避けるべき靴となります。

 

ケース2:やわらかい靴

足の指の付け根にあるタコが痛くてまともに歩けなくなった患者さんで、通い始めて3~4回目くらいで痛みはかなり軽減しました。しかし、5回目に来られた時に、当初ほどではないけど痛みが増して歩くのが大変になってしまった、ということがありました。患者さん曰く、1日だけムートンブーツを履いて買い物に行ったら、その途中から痛みがどんどん増してしまった、とのことでした。それ以降ムートンブーツはやめて歩行も修正し、痛みは消失しました。このように、たった1日だけだけど、ムートンブーツのようなやわらかい靴を履いてしまったが為に足が靴の中で安定せず、足で踏ん張ってしまい結果的に痛みが再燃してしまう事態となりました。外反母趾に限らず足が弱っている人は避けるべき靴となります。

 

ケース3:調整できない靴

調整できない靴、つまりスリッポンやローファーなどを履いておられる患者さんは、当院の中でも多くいらっしゃいます。そして気づかぬうちに足に力を入れる癖がついてしまい、外反母趾を悪化させてしまっているケースがとても多いです。

当院で歩行練習を開始するタイミングで、なるべく紐で調整できるスニーカーに替えてもらい、その靴で歩いて歩行を身に着けて頂くようにしています。そして、「今まで外反母趾が当たらないように大きめの靴を選んでいたけど、紐靴で調整できる靴にして足が靴の中で泳がず足に安定感が出た」というお声をたくさん頂いています。調整できない靴は、靴の中で足が泳いでしまうことによって足指に過剰に負担をかけてしまっている状態を作り出してしまうため、こちらも外反母趾や足が弱っている人は避けるべき靴となります。

 

外反母趾の方にとって靴選びはとても大変な作業です。特に外反母趾が悪化すればするほど合う靴がなくなっていき、痛みのある方にとっては痛くない靴を選ばなければなりません。しかし、良かれと思って購入して履いていた靴が本来は避けるべき靴だとしたら、とても怖いし悲しいですよね。是非こちらを参考にして、足にとって良い靴を選んで履いてください。

もっと詳しく知りたい、という方は、是非一度お気軽にご相談ください。