症例別コラム

出来れば避けるべき外反母趾の手術

外反母趾の角度が大きくなり足の変形が進んでいる人の中には、一度は外反母趾の手術を考えたことがある、という人は多いのではないでしょうか。もしくは、今も手術を視野に検討している、という人もいらっしゃるかもしれません。

しかし、実は外反母趾の手術はなるべく避けた方がいいものだということは知っていましたか?

それは、外反母趾の発生原因と成り立ちが大きく関係しています。

そのことについて詳しく説明した動画がございますので、まずはこちらをご覧ください。

 

https://youtu.be/tEgmtQwUoDE

 

いかがでしたでしょうか。

外反母趾の手術は様々な種類があります。その中で主流になっているのが「骨切術」と呼ばれる手術です。その名の通り、曲がった骨の少し下の部分を切り、金具でまっすぐに固定するものです。入院期間~リハビリ終了まで約2~3カ月間かかり、費用は片足で10万円、その他インソールを含めると片足で合計15万円かかります。保険適用の手術になるので、その料金から医療負担分だけ料金がかかってきます。

 

このように、手術と一言で言っても、期間も費用もとてもかかります。もちろんそれで完全に治れば良いのですが、実は手術をしてもまた再発してしまうケースがあるのです。実際に、当院に来られた患者さんの知人の方も、とっても痛い思いをして手術をしたにもかかわらず、約半年で元の足に戻ってしまった、ということを耳にしたことがあります。

 

では何故、大変な手術をしたにもかかわらず再発してしまうのでしょうか。

それは、外反母趾の発生原因と成り立ちが関係しています。

 

外反母趾の原因は様々なことを言われていますが、その原因ははっきり分かっています。それが、「オーバープロネーション(過剰回内)」という足の使い方です。オーバープロネーションについては、また他のコラムでご紹介致します。そして、このオーバープロネーションに「アブダクトリーツイスト」といって、足をひねって地面を蹴ってしまう癖がプラスされて外反母趾が進みます。

 

そして、外反母趾の成り立ちは、親指が人差し指の方へ曲がるわけではなく、親指の付け根が外側にどんどん広がってしまい、その結果親指が人差し指の方へ曲がったようになってしまっている状態です。つまり、足の付け根の幅がどんどん広がっている状態になります。ということは、骨切術の手術で親指だけまっすぐにしたところで広がってしまった指の付け根が変わるわけではないので、根本的に治ったことにはなりません。

更に言うと、手術によって指はまっすぐになったとしても、その後の生活で足の使い方の癖が改善されていなければ再発してしまう、ということになります。

 

ではどうすれば外反母趾が改善するのか。

もうお分かりかと思いますが、外反母趾は足の使い方が原因なので、治療も足の使い方の改善、つまり外反母趾の改善には行フォームの改善が絶対的に必要になります。実際に歩行フォームの改善によって、当協会代表の中島武先生のところで1000例以上、また当院をはじめとした協会登録インストラクターの先生のところでも大変多くの改善例があります。

つまり、外反母趾の手術は基本的には必要なく、歩行フォームの改善だけで外反母趾は良くなる、ということが言えます。

 

外反母趾で手術をお考えの人は、まずは手術の前に一度お気軽にご相談ください。