患者様情報
50代 女性
仕事・趣味
専業主婦。買い物は徒歩で行くことが多くよく歩いている。近所に坂道や階段が多い。
症状
外反母趾は昔からあったが痛みが出ることはなかった。ただ、スリッパのようにパカパカとなってしまうものではなく、靴のようにしっかり覆われていて歩きやすいものを選んで履いていた。しかし、室内履きを新しいものに替えてから外反母趾の痛みが気になるようになってきて、来院1カ月前から痛みが増してきてしまった。室内履きを違うものに替えたけどまだ痛む。また、歩きすぎると外反母趾が痛くなってきてしまうようになった。
Before(写真上)
【外反母趾】右:25.6° 左:38.4°
【内反小趾】右:31.6° 左:28.4°
【横幅】 右:9.31㎝ 左:9.53㎝
After(写真下)
【外反母趾】右:21.3°(-4.3°) 左:29.5°(-8.9°)
【内反小趾】右:21.2(10.4°) 左:21.8°(-7.4°)
【横幅】右:9.07㎝(-0.24) 左:9.17㎝(-0.36)
約1年間で両足の外反母趾、内反小趾ともに角度が軽減。特に右の内反小趾は10度強減らすことが出来ました。靴に当たる感じもかなり軽減され、出っ張っている骨の部分の皮膚の赤みが最初に比べるとだいぶ軽減されているのも分かります。
症状の変化
外反母趾の痛みは、コース1回目が終わり歩行を意識し始めてからすぐに軽減、1週間後(2回目の来院)には痛みがほぼ消失していました。長く歩いていても痛みを感じることはなくなり、途中引っ越し作業などで重いものを持ったり歩き回ったりと忙しくされておられましたが痛みが出ることもなく、コースを卒業するまで痛みの訴えは1度もありませんでした。
考察
この患者さんの場合、元々痛みがなかったけど室内履きを替えたタイミングで痛みが出現し始め、当院へ来院されました。
昔から外反母趾はあったけど痛みがないから今までは良かったけど、急に痛みが出てきて「このままではまずい」と思って来院される患者さんはとても多くいらっしゃいます。しかし、外反母趾や内反小趾は、もちろん痛みが出ている患者さんにとってはかなり深刻な問題となりますが、「痛いからまずい状態」ではなく、「外反母趾や内反小趾の足の形自体がまずい状態」ということなのです。
外反母趾や内反小趾のように指の付け根が広がってくると、足の根本の骨がどんどん緩んできてしまいます。足は人間の体の一番下の土台の部分、そこが緩めば当然足に乗っかっている上の部分は安定感を失い、姿勢がどんどん崩れていき、骨組みで立ってることが難しくなり筋肉への負担がとても大きくなります。それこそが外反母趾の怖いところなのです。
この患者さんは痛み自体は来院される1カ月前からということで経過が短く、当院指導の「ゆるかかと歩き」を実践し始めた段階ですぐに痛みが消失していきました。
しかし、外反母趾や内反小趾は中等度以上あり、痛みがなくなってもしっかり歩き方や立ち方を習得するために約1年間(途中新型コロナウイルスの影響で3カ月ほどお休み)通い、角度をしっかりと減らすことが出来ました。外反母趾や内反小趾の治療は痛みを治すのが最終目的ではなく、しっかり角度も減らしていくことこそが大事になります。
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