外反母趾の原因として、“足指を使ってないから”とか、“現代人は車での移動が多くて足を使う機会が少なく、足の筋肉が衰えてきてしまっているから”ということを聞いたことある人は多いのではないでしょうか?そして、「自分の足指の筋肉が衰えているから外反母趾になっているのだから、足指のトレーニングをしなきゃ」と頑張って鍛えている人もいらっしゃると思います。
しかし、実は“足指の筋肉が衰えているから外反母趾になった”は大きな間違えなのです。それどころか、外反母趾の人が足指を鍛えてしまうと余計に悪化してしまう可能性が高いのです。何故この考え方が間違えなのか、では実際に外反母趾の原因は何なのか、それに対して何をしなければいけないのかをご説明していきます。
まずはこちらをご覧ください。
いかがでしたでしょうか?
外反母趾は”足指を使っていないから“ではなく、”足指を使いすぎてしまっているから“なってしまう病気です。全くの正反対なのです。
例えば、フィギュアスケーターやバレエダンス、バレーボール、テニスなどのスポーツをやられている方で外反母趾の人はとても多くいらっしゃいます。これらのスポーツは足の指を使っていないでしょうか?むしろ、足の指を酷使しているスポーツと言えます。
実際に当院に来られている患者さんの中で、これらのスポーツをやられている方はとても多いです。
ハイヒールも足の指を踏ん張りやすい状態にあるので、足の指を使っていないどころか足の指を常に踏ん張って使っている状態にあります。
つまり、足の指を酷使すればするほど足に負担がかかり、外反母趾がどんどん悪化してしまうということになります。
ここで、外反母趾の人がやりがちな足指のトレーニングを挙げてみます
・タオルギャザー体操(足裏でタオルを引き寄せる足指の体操)
・かかと上げ体操
・グーパー体操
・ボーマン体操(外反母趾の体操として推奨されることが多い)
前述したとおり、外反母趾は足指を使いすぎてしまっている状況です。つまり、足指はむしろ休ませてあげなければなりません。なので、これらの体操をされている外反母趾の人は今すぐやめた方がいい体操です。
では実際にどうしたらいいかというと、外反母趾の原因が足指を使いすぎているというのであれば、足指を使わない状況にしなければいけませんが、これには足の使い方が関係してきます。
足の使い方、つまり「歩き方」を見直す必要があります。
足に負担のかかるスポーツだけで外反母趾になる、というよりは、それらのスポーツをやることによって足指を使う癖が身についてしまい、歩く時もいつも足指を使うようになってしまい外反母趾を悪化させてしまっています。
なので、外反母趾を治すには、癖の付いてしまった良くない歩き方を改善する必要があります。
ただ、自分の歩き方にどんな癖があるのかは中々気づきにくいものです。外反母趾やその他の足の疾患でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。